狼と犬の違い

犬ほど大きさ・形態・模様のさまざまなものが同じ種としてくくられている動物はいないでしょう。狼は大きくがっしりした体・つりあがった目、灰・白が混ざった体の模様が特徴ですが、犬という範疇があまりにも広く、あまりにも身近な存在であるため狼も犬の一種として分類できそうに感じてしまいます。犬をそれぞれ犬科動物の別々の亜種として分類したらいいのですが、その形態差はごく近代に人間の手によってなされたため、それははばかられるのかもしれません。ただ狼と犬のはっきりとした違いもあります。狼は上あごの裂肉歯という歯が、どんな種の犬よりも1.5倍は大きいのです。歯の役割の違いは種を生活様式で分類するなら大きな差異です。しかし狼と犬が非常に近い種であることは確かで、同じ科に分類される動物は、まれに混血児を生むことがあります。例えばライオンとトラとの間に生ずるライガーやタイゴン、ライオンとヒョウの間のレオポン、カモと家ガモとの間のマガモ、イノシシとブタの間のイノブタ、馬とロバの合いの子のラバなどです。しかしこれらは遺伝子の伝達上無理があるのか一代雑種はできても二代目の混血児は生まれません。つまりライガーとライガーを掛け合わせても子供はできませんし、マガモどうしからマガモは生まれないのです。ところが狼と犬の場合は混血児どうしでも子供ができるのです。

ライガー
ライオン父・トラ母、親よりも巨大化し平均体重450s(トラは300s)
レオポン
イノブタ
ラバ

ところで狼は犬の祖先であるとか、狼が人に飼いならされて犬になったと言われてきましたが、最近では狼と犬は性質や生活様式がかなり異なることから、狼と犬は非常に近似した進化の別の枝から生じたという見解が一般的になってきたのです。遺伝子の研究が進み、性質や習性は種としてのDNAプログラムによるものだと分かってきたからです。

タイゴン
トラ父・ライオン母、親よりも小型化の傾向にある