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FRPFRP造形

弊社の製品の8割がFRP造形物です。

FRPとは、Fiber Reinforced Plasticsの頭文字をとったもので、日本語での正式名称は『繊維強化プラスチック』といいます。
加工しやすく丈夫で長持ち、それでいて材料費が安いため、造形物の製作ではとてもポピュラーな素材です。
町でよく見る金属や木材ではない大型のオブジェや立体看板などは、FRP造形物である場合が多いです。

FRP造形の仕組み

FRPは、樹脂と繊維が合わさって出来ています。
樹脂とは、石油などから作られるプラスチック(合成樹脂)のことです。
FRPに使われるのは、ポリエステル樹脂がほとんどですが、まれにビニルエステル樹脂・エポキシ樹脂なども使用されます。
繊維とは細い糸状の物体のことで、この業界ではたいてい布のように編まれた状態になっています。FRPで使用されるのは、ガラス繊維(ガラスマット)や炭素繊維(カーボンファイバー)です。繊維に樹脂を浸みこませて固めることで耐久性の高い造形物になります。

FRP造形の特徴

二次加工しやすい

FRPの最大の特徴といえば、後加工のしやすさがあげられます。プラスチック全般は、穴あけ・切削などの加工はしやすいですが、後から何かを接合するとなると、安全強度を保ったまま接着できるものは少ないです。FRPは、パーツどうしを後から接合したり、補強のため金物を仕込んだり、表面の傷やへこみをパテで埋め塗装するなど、二次加工が簡単にでき、接着強度が高いという造形に非常に適した素材なのです。

継ぎ目が見えない

金属や他のプラスチックによって作られた製品は、板の接合ラインや規格サイズを超える部分は、必ず継ぎ目が見えます。
FRPどうしの接合は裏や表からFRP接着で一体化でき、継ぎ目がないデザインが可能です。

三次曲線のデザインができる

金属や木工、他のプラスチックによって作られた製品は、直線と二次曲線が主になります。三次曲線を表現するためには無垢のブロックを削り出す方法になり重くなります。FRPは、スチロール原型や粘土原型で三次曲線を表現して型どり、中空で成型できるので軽く自由な形のデザインが可能です。

耐久性

FRPで作られた造形物は、雨風にさらされる屋外では無類の強さを発揮します。
金属や木材は、錆びたり腐ったりして劣化していきますが、FRPは腐食に強く、経年劣化が少なく、高い耐水性があります。衝撃にも強く、欠けたり傷ついたりはしますが、破断することはまずないでしょう。

軽い

FRPは中空で成型できるのでとても軽いです。
軽いということは、運搬や設置のしやすさ、輸送コストの削減、設置した際の安全性など、様々なメリットがあります。

小ロッドなら低コスト

量産において金型を必要とする他のプラスチックに比べ、FRPは型を安価な素材で製作できるので小ロッドなら初期投資が少なくて済みます。300ミリ以上のサイズで100台以内の量産ならまずはFRPを考えた方が良いでしょう。

FRP成型の詳細な手順

FRPは身近な素材

FRPは、実はとても身近な存在で、一般の人はそれがFRP造形物だと気づいていないだけです。
特に遊園地にはFRP造形物が多く、オブジェ、ベンチ、噴水、滑り台などの遊具の多くがFRPで作られています。
また、スポーツ用品の多くは軽くて丈夫なFRPに置き換わっています。
  • プール

    FRP造形015 FRPは防水処理に広く使われています。
    一般家庭のベランダ、大型の水槽、学校のプールまで、様々な所でFRP防水は活躍しています。
  • バスタブ

    FRP造形016 バスタブには、大理石、ステンレス、ホーロー、木材と様々な素材が使われていますが、その中でも最も使用されている素材は、現在ではFRPになっています。
  • ボート

    FRP造形017 FRPの防水性と耐久性に加えて軽いという特徴は、水に浮かばせるボートには最適です。
    ヨットや大型船舶にも、FRPは使われるようになってきています。
  • 飛行機

    FRP造形018 飛行機の素材としては、軽くて丈夫なアルミニウム合金が長い間使用されてきました。
    しかし、最近ではアルミニウム合金を超える軽さと丈夫さでFRPの需要が高まっています。
  • FRP造形019 普通の車のボディは金属製ですが、スーパーカーと呼ばれるような高級車にはFRPが使用されています。 身近なところでは、エアロパーツの作成や修理にもFRPが使用されます。
  • フォーミュラカー

    FRP造形020 スーパーカーの中のスーパーカー、F1の車体もカーボンファイバーのFRP(CFRP)で出来ています。 時速300kmを超えるスピードでクラッシュしても、大破することなくドライバーの命を守ります。
  • ベンチ

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  • 釣り竿

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  • ラケット

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  • ゴルフクラブ

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  • サーフボード

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FRP関連用語

樹脂
FRPにおける樹脂とは、実際の木の汁ではなく石油を原料とするもので、ほとんどは不飽和ポリエステル樹脂が使われています。樹脂はレジンとも呼ばれ広い範囲で樹脂全般を指し、プラスチックとは樹脂で成型され硬化した製品を指します。
ガラス繊維
ガラスを繊維状にしたもの。布状のものが一般的でガラスマットと呼ばれますが、糸状の物、網目状のものなど様々な形態があり、厚みの違いによって380番、480番などの名前があります。380番とは、1枚のマット1㎡の重さが380gという意味です。これでできたFRPをGFRPと言い、重さは鉄の1/4程度で、硬さは鉄の約10倍にもなります。
炭素繊維
アクリル樹脂や石油、石炭からとれる有機物を繊維化して特殊な熱処理を施したもので、「カーボンファイバー」とも呼ばれます。ガラスよりさらに強度が求められるときに使いますが、オブジェとしての造形物で使われることはまずありません。スポーツカーや飛行機などに使われ、とても軽くて強度のある物が造れます。非常に高価なものになり、これでできたFRPをCFRPと言います。
PLY(プライ)
プライとは層という意味で、FRPの中にガラスマットを枚数積層したかを表します。2枚のガラスマットを積層したものをを2プライ、3枚の場合は3プライと言います。枚数が増えるほど強度が増していきます。おおむね1プライにつき厚みが1ミリと考えてください。
FRPオーバーレイ
スチロールなどをFRPでコーティングして強度を上げること、または補強金物などのFRP製ではない異物をFRPでサンドイッチして接着する手段を意味します。
FRPライニング
防水処理としてFRPでコーティングすることを指します。
トップコート
ゲルコート、1ゲルとも呼びますが、FRPの中で人の目に触れる表面の樹脂を指します。ガラスは入っておらず、赤や黄など色を混ぜることができます。赤のゲルコートを使って成型したものは塗装しなくても赤の製品として製作することができます。これをゲルコート仕上げと言います。